SFには「人の陰謀力」を高く見積もる力があるんじゃないか、と思う。

小松左京氏の訃報を知ったのは、山形県から福島県へ向かう長い下り坂のトンネルの中。
トンネル内向けのラジオ再送信電波で音質は悪く、夜間帯なのでハングルのラジオ局も雑音として乗っている。

それを聞き「再送信施設を使ったイタズラじゃねえの?」と一瞬疑った自分がいて、そういう「いかにもSF」な発想をしてる自分自身に少々呆れた。

死因は肺炎とのことなので、もしかしたら誤嚥性肺炎かもしれません。深く広い教養とそれを生かす発想力を持った人の晩年としては少々悲しさも感じますが、それも人間。SFを作れるのは地球上に人間しかいない以上、こういうオチも仕方ないものとして受け止めるべきでしょう。

氏のご冥福を心よりお祈りします。